[昭和48年市有形民俗文化財指定]
鹿子神車(かしかじんしゃ)は、宝暦11年(1761)に、かっての若宮八幡社に曳き出した祭車として、中区旧住吉町で造られたと伝えられています。明和9年(1772)に同所が山車を新造したことから、文化7年(1810)に西之切が古車を譲り受けたとされています。
昭和62年に本漆、本金箔張、赤幕など原形を損なわないように大修理を行い、装いを新しくしました。塗りは溜塗りで、彫刻や高欄の金具など、いずれも豪華な意匠が施されています。
水引幕は、豪華な孔雀の総刺繍で、その下絵は森高雅の筆と伝えられています。
人形は、屋台に大将と2体の唐子人形(中国風の装いをした童子の人形)、前棚に麾振(ざいふ)り1体が載ります。
からくりは、大将を主体として、小唐子が蓮台の上で逆立ちして音松と呼ばれる人形が支える小太鼓を打ち鳴らし、その面白さにお梅さんと呼ばれる中唐子が、団扇太鼓を乱打しながら左右へ飛び走ります。この2体の出来栄えを見て、大将が軍配を高らかに振る様を演じます。